高齢者はたんぱく質が大切|訪問歯科診療に対応|たのしみ歯科|板橋区高島平の歯医者・小児歯科・口腔外科

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高齢者はたんぱく質が大切

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2026年9月29日

高齢者はたんぱく質が大切

― 筋肉と「食べる力」を守るために

「最近、少し痩せてきた」
「食事の量が減った」
「肉や魚をあまり食べなくなった」

高齢の方の診療をしていると、このようなお話を聞くことがあります。

年齢を重ねると、食欲が落ちたり、料理をすることが大変になったり、歯や入れ歯の問題から硬いものを避けるようになったりすることがあります。

その結果、知らないうちに食事量が減り、必要な栄養素が不足してしまうことがあります。

中でも意識したいのが、たんぱく質です。

たんぱく質は、筋肉や骨、皮膚、血液など、私たちの身体をつくるために欠かせない栄養素です。

高齢者では、たんぱく質の摂取不足が続くと、筋肉量や身体機能の低下につながり、フレイルやサルコペニアのリスクにも関係します。

そして、ここで忘れてはいけないのが「口」です。

食べるための口の機能が低下すると、たんぱく質を含む食品を十分に食べられなくなることがあります。

今回は、高齢者にとってなぜたんぱく質が大切なのか、そして「食べる力」とどのように関係しているのかについてお話しします。

【たんぱく質は何のために必要?】

たんぱく質は、身体を構成する重要な栄養素です。

筋肉はもちろん、皮膚、髪、爪、内臓など、身体のさまざまな組織にたんぱく質が使われています。

また、身体の機能を維持するために必要な酵素やホルモン、免疫に関わる物質などの材料にもなります。

つまり、たんぱく質は「筋肉をつけるためだけの栄養素」ではありません。

健康な身体を維持し、毎日の生活を送るために必要な栄養素なのです。

高齢になると筋肉が減りやすい

年齢を重ねると、若い頃と比べて筋肉量が減少しやすくなります。

さらに、

・食事量が減る
・外出する機会が減る
・運動量が減る
・病気や入院を経験する
・食べにくい食品を避ける

といったことが重なると、筋肉量がさらに低下することがあります。

筋肉が減ると、「立ち上がりにくい」「歩くのが遅くなった」「疲れやすい」といった変化につながります。

こうした身体の変化を放置すると、転倒や要介護状態につながる可能性もあります。

そのため、高齢者では「しっかり食べること」と「身体を動かすこと」の両方が大切です。

【「痩せている=健康」とは限らない】

高齢者の栄養について考えるとき、「太りすぎ」に目が向きがちです。

しかし、高齢期では「痩せ」や「体重減少」にも注意が必要です。

特に、本人が意図していないのに体重が減っている場合は、食事量が不足していないか確認することが大切です。

「最近ズボンがゆるくなった」

「以前より食べる量が減った」

「食事を残すことが増えた」

こうした変化は、栄養状態の変化を知る手がかりになります。

体重だけで判断するのではなく、食事量や筋力、活動量なども含めて考えることが重要です。

【たんぱく質を多く含む食品】

たんぱく質を含む食品には、さまざまなものがあります。

肉

牛肉、豚肉、鶏肉などは、たんぱく質を多く含む代表的な食品です。

ただし、高齢者では「肉が硬くて食べにくい」ということがあります。

その場合は、薄切り肉を使ったり、ひき肉料理にしたり、煮込み料理にしたりするなど、食べやすくする工夫ができます。

魚

魚もたんぱく質を摂取できる食品です。

焼き魚だけでなく、煮魚、蒸し魚、魚のつみれなど、口の状態に合わせて調理方法を変えることができます。

卵

卵は比較的食べやすく、さまざまな料理に取り入れやすい食品です。

卵焼き、茶碗蒸し、卵とじなど、食べる力に合わせて形を変えやすいこともメリットです。

大豆製品

豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品も、たんぱく質を含む食品です。

特に豆腐はやわらかく、噛む力が低下した方でも取り入れやすい食品です。

乳製品

牛乳、ヨーグルト、チーズなども、日々の食事に取り入れやすい食品です。

「肉や魚が食べにくい」という場合にも、別の食品からたんぱく質を補うことができます。

大切なのは「たくさん食べる」だけではない

たんぱく質が大切だからといって、一度に大量に摂ればよいというわけではありません。

毎日の食事の中で、主菜などからたんぱく質を含む食品を取り入れていくことが大切です。

例えば、

朝食に卵やヨーグルト、

昼食に豆腐や魚、

夕食に肉や魚、

というように、1日の食事の中で分けて摂取する方法もあります。

ただし、必要な量は年齢、体格、活動量、健康状態、腎臓などの疾患の有無によって異なります。

特定の病気で食事制限を受けている方は、自己判断でたんぱく質を増やすのではなく、主治医や管理栄養士に相談しましょう。

「食べたいけれど食べられない」という問題

ここで、歯科医療の視点から大切なことがあります。

「たんぱく質を食べましょう」と言われても、

「肉が噛めない」

「魚が口の中でまとまらない」

「入れ歯が痛い」

「飲み込みにくい」

という状態では、十分に食べることができません。

つまり、栄養を考えるときには、「何を食べるか」だけでなく「どうすれば食べられるか」を考える必要があります。

これが、歯科と栄養がつながるところです。

歯科は「栄養の入口」を支える

歯は食べ物を噛むためにあります。

舌は食べ物をまとめ、喉へ送り込むために働きます。

唾液は食べ物をまとめたり、飲み込みやすくしたりします。

そして、入れ歯も噛む機能を補う大切な道具です。

つまり、口は「栄養を身体に取り込む入口」です。

・歯が痛い。
・入れ歯が合わない。
・口が乾く。
・舌の力が弱い。
・むせる。

こうした問題があると、食べられる食品が少なくなり、結果として栄養不足につながることがあります。

だからこそ、栄養状態を考えるときには、口の状態も一緒に確認することが大切なのです。

「食べない」のではなく「食べられない」のかもしれない

高齢の方が食事を残しているとき、

「食欲がないのかな?」

と思うかもしれません。

しかし、実際には、

「噛めない」
「飲み込みにくい」
「疲れてしまう」
「口の中が痛い」
「入れ歯が合わない」

など、別の理由が隠れていることがあります。

例えば、大好きだったお肉を食べなくなった方がいたとします。

「肉が嫌いになった」のではなく、「噛むのが大変だから避けている」だけかもしれません。

その場合、入れ歯を調整したり、歯の治療をしたり、調理方法を変えたりすることで、再び食べられるようになる可能性があります。

「食べる力」と「身体の力」はつながっている

口の機能が低下すると、食べられるものが限られます。

食べる量が減れば、エネルギーやたんぱく質が不足します。

栄養が不足すると、筋肉量が減り、身体を動かしにくくなることがあります。

身体を動かさなくなると、さらに筋肉が減る。

そして、身体の力が落ちると、食事をすること自体が大変になる。

このような悪循環が起こることがあります。

だからこそ、

口を守ることは、身体を守ること。

そして、

食べることを支えることは、その人の生活を支えること。

私たちはそう考えています。

食べるための「口腔機能」を守る

高齢者の栄養を考えるときには、食事内容だけでなく、口腔機能にも目を向けてみましょう。

例えば、

・しっかり噛めているか
・食べ物を口の中でまとめられるか
・舌がしっかり動いているか
・口が乾いていないか
・入れ歯は合っているか
・食事中にむせていないか
・食事に以前より時間がかかっていないか
・食事量が減っていないか

こうした項目を確認することが大切です。

気になる変化があれば、歯科医師や歯科衛生士に相談してください。

必要に応じて、管理栄養士や看護師、リハビリテーション職など、多職種で一緒に考えることもできます。

【「何を食べるか」から「どう食べるか」へ】

高齢者の栄養を考えるとき、

「たんぱく質を摂りましょう」

というメッセージはとても大切です。

しかし、それだけでは十分ではありません。

「その人は、何なら食べられるのか」

「何が好きなのか」
「どんな食事なら楽しめるのか」
「どうすれば安全に食べられるのか」

そこまで考えることが、私たち歯科医療の役割だと思っています。

栄養のために食べる。

もちろん、それも大切です。

でも、食事はそれだけではありません。

好きなものを食べる。

家族と一緒に食卓を囲む。

季節を感じる。

「今日のごはん、おいしかったね」と話す。

食べることには、栄養だけではない大きな意味があります。

【まとめ】

高齢者では、年齢とともに筋肉量が減少しやすく、食事量が減ることでたんぱく質が不足することがあります。

そのため、毎日の食事で肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など、たんぱく質を含む食品を取り入れることが大切です。

一方で、「食べたほうがいい」と分かっていても、歯や入れ歯、舌、飲み込みなどの問題があると、十分に食べられないことがあります。

だからこそ、高齢者の栄養を考えるときには、「栄養」と「口」を一緒に考えることが重要です。

「最近、痩せてきた」

「食事量が減った」

「肉や魚を食べなくなった」

「食べるのに時間がかかる」

「むせることが増えた」

そんな変化があれば、一度、口の状態も確認してみてください。

たんぱく質を摂ること。

そして、たんぱく質を含む食品を「食べられる口」を守ること。

その両方が、これからの身体と生活を支える力になります。

たのしみ歯科では、歯を治すことだけを目的とするのではなく、その人の生活や食事まで考えながら、「食べる」を支える歯科医療を大切にしています。

たべることは、生きること。

「ごはんがたのしみ」な毎日を、これからも一緒に支えていきたいと思います。

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