第30回 在宅療養ネットワーク懇話会に参加してきました|訪問歯科診療に対応|たのしみ歯科|板橋区高島平の歯医者・小児歯科・口腔外科

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第30回 在宅療養ネットワーク懇話会に参加してきました

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2026年2月02日

第30回 在宅療養ネットワーク懇話会に参加してきました

― 看取りのバトンパスで支える「板橋らしい最期」―

先日、板橋区の第30回在宅療養ネットワーク懇話会に参加してきました。今回のテーマは、

「看取りのバトンパス:切れ目のない連携で『板橋らしい最期』を支える」 です。

医療・介護・福祉・行政など、地域で在宅療養を支える多職種が一堂に会し、看取りの現状や課題、そしてこれからの地域のあり方について意見や情報を共有する、とても意義深い会でした。本コラムでは、当日の内容とあわせて、「地域ケア会議とは何か」についても、できるだけ分かりやすくお伝えします。

地域ケア会議とはどんな場?

地域ケア会議とは、高齢者や在宅療養中の方が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるようにするための話し合いの場です。医師、歯科医師、看護師、ケアマネジャー、リハビリ職、介護職、行政担当者など、さまざまな立場の専門職が集まり、支援の方法や地域の課題について検討します。

単なる情報交換ではなく、

・具体的なケースについての支援方法を考える

・多職種の役割を整理する

・支援の抜けや重なりを減らす

・地域全体の課題を見つける

・新しい連携の仕組みを作る

といった実践的な目的があります。

在宅療養や看取りの支援は、一つの職種だけで完結することはほとんどありません。医科・歯科・介護・リハビリ・福祉がチームとして関わることで、はじめて安定した支援が可能になります。その土台づくりをしているのが、このような地域のネットワーク会議です。

看取りは「バトンパス」

今回の懇話会で繰り返し出てきたキーワードが「バトンパス」でした。

看取りは、ひとつの場所、ひとつの医療機関だけで支えるものではありません。

病院から在宅へ

在宅から施設へ

あるいは再入院へ

療養の場は、状態に応じて変わることがあります。そのたびに支援者も変わります。しかし、その都度ゼロからやり直しになってしまうと、ご本人やご家族の負担はとても大きくなります。

だからこそ、

「どんな希望があるのか」

「どんな生活を大切にしているのか」

「どこまでの医療を望むのか」

といった大切な情報や想いを、次の支援者へ丁寧につないでいくことが重要です。まさにリレーのように、支援のバトンを渡していくイメージです。

行政からの講演:看取りの現状とめざす姿

行政からは、板橋区における看取りの現状と、今後目指していく地域像についてのお話がありました。

高齢化が進む中で、「できれば住み慣れた場所で最期を迎えたい」と考える方は増えています。一方で、

・支援制度を知らない

・相談先が分からない

・連携がうまくいかない

といった理由で、希望通りの療養が難しくなることもあります。

そこで重要になるのが、早い段階からの話し合いです。いわゆる「人生会議(ACP)」と呼ばれる取り組みで、元気なうちから希望や価値観を共有しておくことが、後の支援をスムーズにします。

地域として、相談体制と連携体制を整えていくことの必要性を改めて感じました。

病院からの講演:病院の看取り支援

病院からは、入院中の患者さんへの看取り支援についてのお話がありました。

病院というと「治療の場」という印象が強いですが、実際には多くの看取りも行われています。特に急性期病院では、

・症状のコントロール

・急変時の対応

・家族への説明と支援

・退院支援との連携

などが重要な役割になります。

最近では、退院前から地域の支援者と情報共有を行い、在宅や施設へスムーズにつなぐ取り組みも進んでいます。医療情報だけでなく、生活背景や本人の想いも含めて共有することが、次の支援の質を高めます。

施設からの講演:特養での看取りケア

特別養護老人ホームからは、施設での看取りケアの実際について紹介がありました。

施設での看取りは、日々の生活支援の延長線上にあります。長く過ごした場所で最期を迎えられることは、大きな安心感につながります。

「看取りは特別なことではなく、日常ケアの積み重ね」なのだろうなと感じました。

看取り期における歯科・食支援の大切さ

看取りの時期でも、口腔ケアと食べる支援はとても重要です。

・お口を清潔に保つことで苦痛を減らす

・誤嚥性肺炎のリスクを下げる

・口の乾燥や痛みを防ぐ

・食べる楽しみをできる限り守る

口は「命」と「楽しみ」の入り口です。最期まで口から食べたいという願いを支えるためにも、医科や介護との連携の中で歯科が関わる意味は大きいと、あらためて感じました。

懇話会の終了後には、3月に板橋区医師会病院で開催予定の健康づくりセミナーについて告知する機会もいただきました。地域の皆さまに役立つ情報を、さまざまな職種が協力して発信していくことも、地域医療の大切な役割だと感じています。

「関係性」が最期を支える

今回の会を通して強く感じたのは、制度や仕組みだけでなく、「顔の見える関係」が看取りを支えているということです。

相談しやすい関係

声をかけやすい関係

互いを理解している関係

こうした土台があるからこそ、支援のバトンは途切れずにつながります。

“板橋らしい最期”とは、特別な医療があることではなく、その人らしさを地域みんなで支えられることなのだと思います。今後も地域の一員として、多職種と連携しながら、「食べる」「話す」「笑う」を支える歯科医療に取り組んでいきたいと思います。

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