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摂食嚥下障害とは?

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2025年11月21日

摂食嚥下障害(せっしょくえんげしょうがい)とは、食べ物を口に運び、噛み、飲み込み、胃へ送り込むまでの一連の動作がうまくいかなくなる状態を指します。私たちが食事をするとき、口の中で食べ物を認識するところから始まり、噛んでまとめ、舌でのどへ送り込み、飲み込む瞬間には気管が閉じて食道へ導かれるという、非常に複雑なステップが連続して起こっています。このどこかにトラブルが生じると、むせ、飲み込みづらさ、食欲はあるのに食べられないといった症状が現れます。

摂食嚥下障害の原因は多岐にわたります。加齢による筋力低下や口腔機能の衰え(いわゆるオーラルフレイル)、脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患、認知症、長期間の入院による廃用、歯の欠損や合わない義歯など口の中の問題、さらには薬の副作用などが関係することがあります。特に高齢者では、複数の要因が重なって生じることが多く、気づかないうちに「食べにくい」「飲み込みにくい」状態になっていることも少なくありません。

症状としてよく見られるのは、食事中や水分でむせる、飲み込むのに時間がかかる、食べ物が口やのどに残りやすい、食事後に声がガラガラする、などです。また本人はむせなくても、寝ている間に唾液が気管に入り肺炎を起こす「不顕性誤嚥」が起こることもあり、繰り返す誤嚥性肺炎の背景には摂食嚥下障害が隠れている場合がよくあります。

摂食嚥下障害を放っておくと、誤嚥性肺炎や低栄養、脱水、体重減少といった健康問題につながり、食べる楽しみや生活の質を大きく損なってしまいます。しかし一方で、適切な評価と支援を行うことで、安全に食べられる方法を見つけたり、再び口から食事ができるようになる例も多くあります。

評価には、嚥下内視鏡(VE)や嚥下造影(VF)といった専門的な検査が用いられます。嚥下内視鏡は鼻から細いカメラを入れてのどの動きを直接観察する検査で、在宅でも行うことができます。嚥下造影ではレントゲンを使い、飲み込む動作を動画で確認します。これらの検査により、どのような食形態が安全か、どんな訓練が必要かを具体的に判断することができます。

摂食嚥下障害は、早期の気づきと適切な支援で大きく改善が期待できる領域です。「最近むせるようになった」「食事に時間がかかる」「痩せてきた」など、少しでも気になる変化があれば、早めの評価をおすすめします。食べることは生きる力そのもの。私たちはその大切な機能を守るお手伝いをしています。

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