2026年2月01日

先日、東京都歯科衛生士会の研修で「地域における食支援と摂食嚥下リハビリテーション」をテーマにお話しする機会をいただきました。当日は悪天候の中、会場には、復職を考えている方、外来診療から訪問診療という新しい分野に挑戦したい方、すでに現場で活躍されている方など、たくさんの歯科衛生士さんに参加頂き、臨床に即した実技講習なども行いました。
たのしみ歯科が大切にしている理念は
「ごはんがたのしみな毎日を、あなたと。」
今日はその想いにつながるお話を、一般の方にも分かりやすくお伝えします。
⸻
「食べること」は、生きることそのもの
年齢を重ねたり、病気や障害があったりすると、「むせる」「飲み込みにくい」「食事に時間がかかる」といった変化が出てくることがあります。これを“嚥下(えんげ)の問題”といいます。
食べにくさが続くと、
• 食事量が減る
• 体力が落ちる
• 外出や会話が減る
• 食事の時間がつらくなる
といった悪循環が起こります。
だからこそ私たちは、単に歯を治すだけでなく、
「最後まで口から食べる」ことを支える医療 を大切にしています。
これが「食支援」や「摂食嚥下リハビリテーション」です。
⸻
食支援ってなにをするの?
食支援というと、介助して食べさせることをイメージされるかもしれません。でも実際にはもっと幅広い支援です。
たとえば、
• お口の状態を整える
• 入れ歯を調整する
• 舌やほほの動きを良くする体操を行う
• 食べやすい姿勢を一緒に考える
• 食事の形態(きざみ、やわらかさ、とろみ)を調整する
• ご家族や介護スタッフにコツを伝える
など、「安全」と「楽しさ」の両方を守るサポートです。
食事は栄養だけでなく、楽しみであり、思い出であり、人生のよろこびです。そこを支えるのが、私たちの役割です。
⸻
歯科衛生士さんが地域で大活躍しています
今回の研修でもお伝えしたのは、
これからの時代、歯科衛生士さんの活躍の場はどんどん広がる ということです。
いま歯科衛生士さんは、
• 訪問歯科診療
• 介護施設での口腔ケア
• 在宅での食事支援
• 嚥下リハビリのサポート
• 多職種チームでの地域医療
など、地域の現場で欠かせない存在になっています。
お口の中を直接見て、触れて、変化に気づける専門職はとても貴重です。
「最近むせが増えた」「食べ方が変わった」――そんな小さなサインに気づけることが、大きなトラブルの予防につながります。
⸻
ブランクがあっても、もう一度現場へ
復職を考えている歯科衛生士さんから相談を受けることがあります。
子育てや介護などで現場を離れていても大丈夫。いまは復職支援の研修や実習の場が増えています。しかも、訪問歯科や食支援の分野は、経験を積むほどに強みが生きる領域です。
スピードよりも、観察力。
テクニックよりも、寄り添う力。
人生経験が、そのまま臨床力になる分野でもあります。
⸻
地域で支える「食べる力」
食べることを支える医療は、歯科だけでは完結しません。
医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士、ケアマネジャー、介護職――
たくさんの職種がバトンをつなぎながら、一人の「食べたい」を支えています。
その中で歯科は、
口から食べる入口を守る専門家 です。
むせるからやめる、ではなく、
どうすれば食べられるかを考える。
全部同じ食事ではなく、
その人に合った方法を見つける。
私たちはこれからも、地域の仲間と一緒に、その挑戦を続けていきます。
⸻
ごはんがたのしみな毎日を、あなたと。
「もう一度、好きなものを食べたい」
「家族と同じ食卓を囲みたい」
「最期まで口から食べたい」
その願いを支えるのが、私たちの仕事です。
たのしみ歯科はこれからも、
治療だけでなく、生活を支える歯科医療を通して、
ごはんがたのしみな毎日 を一緒につくっていきます。