【メディア情報:たのしみ歯科 書籍】|訪問歯科診療に対応|たのしみ歯科|板橋区高島平の歯医者・小児歯科・口腔外科

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【メディア情報:たのしみ歯科 書籍】

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2026年2月19日

【メディア情報:たのしみ歯科 書籍】

このたび、院長の齋藤が一部執筆に参加した「摂食嚥下リハビリテーション」に関する書籍が発売されました。今回のコラムでは、その内容のご紹介とあわせて、なぜ今、歯科医療の現場で摂食嚥下への対応がますます大切になっているのか、そして診療室や訪問診療でどのように活かしていけるのかを、やわらかくお伝えしたいと思います。


近年、「食べることを支える医療」への関心が高まっています。高齢化が進むなかで、食べにくさや飲み込みにくさ(摂食嚥下障害)を抱える方は決して少なくありません。むせやすくなった、食事に時間がかかるようになった、食後に声がガラガラする、体重が減ってきた――こうした変化は、日常の中では見過ごされがちですが、実はとても大切なサインです。


「食べる」という行為は、単に栄養をとるだけではありません。楽しみであり、生活の質(QOL)そのものです。誰かと同じ食卓を囲むこと、好きなものを味わうことは、生きる力にもつながります。その一方で、飲み込みの機能が低下すると、誤嚥性肺炎や低栄養、脱水など、全身の健康にも大きな影響を及ぼします。だからこそ、早めに気づき、適切に支えることが重要になります。


今回の書籍は、「診療室でも実践できる摂食嚥下障害への対応」をテーマにまとめられています。専門外来だけでなく、一般歯科の外来診療や訪問歯科診療の中でも、無理なく取り組めることを大切にしているのが特徴です。難しい理論だけでなく、「明日からどう動けばよいか」が見える構成になっており、図や写真も多く、現場で使いやすい内容になっています。


具体的には、摂食嚥下の基礎知識から始まり、問診のポイント、簡易的なスクリーニング検査の方法、評価の考え方、さらにVE(嚥下内視鏡検査)やVF(嚥下造影検査)といった精密検査の見方・進め方までが整理されています。また、保険算定の考え方や、医院の体制に応じた導入のステップについても触れられており、「やってみたいけれどハードルが高い」と感じていた先生方にも参考になる内容です。


巻末付録として、患者さんやご家族への説明に使えるシートや資料が収載されているのも実践的なポイントです。摂食嚥下の問題は、専門用語が多く、説明が難しくなりがちです。しかし、わかりやすい資料があることで、説明の質が上がり、患者さんやご家族の理解と安心感にもつながります。これは結果的に、チーム医療の連携をスムーズにする助けにもなります。


院長の齋藤は、本書の中で「症例紹介」と「PAP(舌接触補助床)」の項目を担当しました。PAPとは、舌の動きを補助し、食べ物をうまく送り込めるようにサポートする装置です。飲み込みにくさの背景には、舌の力や動きの低下が関係していることが多くあります。PAPを活用することで、食塊の送り込みが改善し、「食べやすくなった」「口の中に残りにくくなった」といった変化が見られることもあります。


もちろん、装置を入れればすべて解決するわけではありません。評価、リハビリ、食形態の調整、姿勢の工夫、多職種との連携――それぞれを丁寧に組み合わせていくことが大切です。ただ、歯科が関わることで選択肢が広がるケースがあるのも事実です。本書では、そうした実際の症例を通して、考え方や進め方が具体的にイメージできるようになっています。


摂食嚥下への対応というと、「専門性が高くて難しい」「特別な設備が必要」と感じる方も多いかもしれません。しかし実際には、日常診療の延長線上でできることがたくさんあります。口腔内の清掃状態を整えること、義歯を適切に調整すること、乾燥を防ぐこと、食事時の様子に少し注意を向けること。それだけでも、リスクを下げ、食べる力を守ることにつながります。


訪問診療の現場では特に、「最期まで口から食べたい」という願いに触れる機会が多くあります。その思いに応えるためには、安全性だけでなく、本人の価値観や生活背景も含めて考える必要があります。歯科がその輪の中に入り、評価と支援を行うことは、大きな意味を持ちます。


今回の書籍は、医療・介護に関わる多くの方にとって、「摂食嚥下を少し身近に感じられる」きっかけになる一冊です。そして私たち自身も、日々の診療の中で学び続けながら、目の前の患者さんの「食べる楽しみ」を支えていきたいと考えています。


食べることは、生きること。その時間が少しでも安心で、少しでも楽しいものになるように。これからも現場での実践を大切にしながら、取り組んでまいります。


https://www.quint-j.co.jp/products/5186

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