2026年6月10日

このたび、たのしみ歯科院長の齋藤が、東京都心身障がい者口腔保健センターの登録医となりました。
皆さまの中には、「登録医とは何だろう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。今回は、この制度について少しご紹介するとともに、私たちが大切にしている思いをお伝えしたいと思います。
障がいのある方の中には、歯科受診にさまざまな困難を抱えている方がいます。診療台に座ることが難しい方、治療への不安が強い方、身体の状態によって長時間の診療が難しい方など、その状況は一人ひとり異なります。
また、歯科医院へ通うこと自体が大きな負担になることもあります。そのため、お口の中に困りごとがあっても受診の機会を逃してしまい、虫歯や歯周病が進行してしまうケースも少なくありません。
東京都心身障がい者口腔保健センターは、障がいのある方への専門的な歯科医療を担う施設です。同時に、地域の歯科医師への研修や支援を行い、地域全体で障がい者歯科医療を支える仕組みづくりにも取り組んでいます。
登録医制度は、その取り組みの一つです。登録医はセンターで学んだ知識や経験を地域の診療に生かし、必要に応じてセンターと連携しながら患者さんを支えていきます。
私たちはこれまでも訪問歯科診療や摂食嚥下診療を通じて、高齢の方や障がいのある方の支援に携わってきました。その中で強く感じるのは、「歯を治すこと」だけが歯科医療ではないということです。
お口の健康は、食べること、話すこと、笑うこと、人と関わることにつながっています。
好きなものを食べられること。
家族と一緒に食卓を囲めること。
友人と会話を楽しめること。
そうした日常の当たり前を支えることが、私たちの大切な役割だと考えています。
障がいのある方への診療では、その方のお口の状態だけでなく、生活環境やご家族の思い、支援者の方々との関わりなども含めて考える必要があります。時には医師や看護師、リハビリ職、相談支援専門員など、多くの専門職との連携が欠かせません。
特に、食べることや飲み込むことに課題を抱える方に対しては、お口のケアだけでなく、食事の工夫や姿勢の調整、摂食嚥下の評価などを通じて支援を行います。
「もう食べられない」と言われた方でも、工夫によって少しでも安心して口から食べられるようになることがあります。また、たとえ食べる量が少なくなったとしても、好きな味を楽しんだり、ご家族と食卓を囲んだりする時間には大きな意味があります。
私たちは、そうした一人ひとりの暮らしに寄り添う歯科医療を大切にしています。
今回、東京都心身障がい者口腔保健センターの登録医となったことで、さらに学びを深め、地域の皆さまのお役に立てるよう努めてまいります。
障がいのある方のお口の健康や、食べること・飲み込むことについてお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
これからもたのしみ歯科は、「食べる」を支え、「暮らし」を支える歯科医療を地域の中で実践してまいります。