「口腔機能低下症」とは?|訪問歯科診療に対応|たのしみ歯科|板橋区高島平の歯医者・小児歯科・口腔外科

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「口腔機能低下症」とは?

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2026年6月11日

「口腔機能低下症」とは?

― “食べる力”の小さな変化に気づくために ―

「最近、むせやすくなった」
「食事に時間がかかるようになった」
「硬いものを避けるようになった」
「滑舌が悪くなった気がする」

こうした変化を、“年齢のせいだから仕方ない”と思っていませんか。

実はその背景には、「口腔機能低下症(こうくうきのうていかしょう)」が隠れていることがあります。

口腔機能低下症とは、加齢や病気、生活習慣などによって、お口のさまざまな機能が少しずつ低下している状態を指します。2018年には保険診療にも導入され、現在では高齢者医療や在宅医療の中でも重要な考え方となっています。  

私たちは「食べる」「話す」「笑う」を当たり前のように行っています。しかし、その当たり前は、お口の複数の機能がうまく協力していることで成り立っています。

口腔機能低下症は、その“食べる力の衰え”を早い段階で見つけるための病名でもあります。



お口の衰えは、ある日突然ではありません

転びやすくなる前に足腰が弱っていくように、食べられなくなる前にも、お口には小さな変化が現れます。

例えば、
食事中にむせる
口が乾く
食べこぼしが増える
発音しにくい
入れ歯を使わなくなった
柔らかい物ばかり食べる
食欲が落ちた

こうした変化は、「オーラルフレイル」と呼ばれる、お口の虚弱のサインとも関係しています。  

最初は小さな変化でも、そのまま放置すると、

低栄養
筋力低下
誤嚥性肺炎
外出機会の減少
会話の減少
要介護状態

などにつながることがあります。

つまり、お口の機能低下は、全身の健康や生活そのものに関わっているのです。



口腔機能低下症は「7つの検査」で評価します

日本老年歯科医学会では、口腔機能低下症を7つの項目で評価しています。  

① 口腔衛生状態不良
舌の汚れ(舌苔)や細菌数を確認します。
お口が汚れている状態が続くと、誤嚥性肺炎のリスクが高くなることがあります。



② 口腔乾燥
唾液の量やお口の潤いを調べます。
唾液には、
飲み込みを助ける
細菌を減らす
味を感じやすくする

といった大切な働きがあります。

薬の副作用や加齢によって、口が乾きやすくなる方は少なくありません。


③ 咬合力低下(噛む力の低下
しっかり噛めているかを確認します。
歯が少ない、入れ歯が合わない、噛む筋力が弱っているなどが原因になります。
噛めなくなると、柔らかいもの中心の食生活になり、栄養が偏りやすくなります。



④ 舌口唇運動機能低下
「パ・タ・カ」を繰り返して発音し、舌や唇の動きを調べます。
滑舌の低下や、食べ物をうまく送り込めない状態につながります。


⑤ 低舌圧
舌の力を測定します。
舌は、食べ物をまとめて飲み込みやすくする重要な筋肉です。
舌の力が弱くなると、口の中に食べ物が残りやすくなったり、飲み込みにくくなったりします。



⑥ 咀嚼機能低下
きちんと食べ物を砕けているかを調べます。
グミを噛んで評価する検査などが行われます。
「噛めるつもり」でも、実際には十分に噛めていないことがあります。



⑦ 嚥下機能低下
飲み込みの状態を確認します。
むせ、飲み込みづらさ、食後の声の変化などは重要なサインです。
必要に応じて、嚥下内視鏡検査(VE)などを行うこともあります。



これら7項目のうち、3項目以上に低下が認められると、「口腔機能低下症」と診断されます。  



「まだ食べられるから大丈夫」ではないことも

口腔機能低下症の特徴は、“完全に食べられなくなる前の段階”をみつける病気であることです。

実際には、

普通に会話している
なんとか食事はできている
自覚症状が少ない

という方でも、検査をすると複数の機能低下が見つかることがあります。

地域歯科診療所での研究では、受診患者さんの約半数に口腔機能低下症が認められたという報告もあります。  

つまり、「まだ困っていない」段階から気づき、支えていくことが大切なのです。



口腔機能低下症は改善を目指せます

口腔機能低下症は、“年齢だから治らない”というものではありません。

適切な介入によって、改善を目指すことができます。

例えば、

入れ歯の調整
口腔ケア
舌や唇のトレーニング
発音練習
嚥下リハビリ
栄養指導
食事姿勢の調整

など、一人ひとりに合わせた対応を行います。

特に重要なのは、「食べることをやめない」ことです。

食べることは、

栄養をとる
季節を感じる
人と話す
楽しみを持つ

という、“生活そのもの”につながっています。

だからこそ私たちは、「食べる力」を支えることを大切にしています。



歯だけではなく、“機能”をみる時代へ

これまでの歯科医療は、「虫歯を治す」「歯周病を治す」が中心でした。

もちろんそれも大切です。

しかし超高齢社会となった今、歯科には「食べる」「飲み込む」「話す」を支える役割が求められています。

歯があるだけでは、食べられるとは限りません。

反対に、歯が少なくても、適切な支援によって“食べ続けられる”方もたくさんいます。

口腔機能低下症という考え方は、「その人らしい生活を支える歯科医療」につながっているのです。



気になる症状があれば、ご相談ください

むせることが増えた
食事に時間がかかる
口が乾く
食べこぼす
痩せてきた
入れ歯を使わなくなった
最近しゃべりにくい

そんな変化があれば、お口からのサインかもしれません。

小さな変化の段階で気づくことが、これからの生活を守ることにつながります。

「まだ大丈夫かな」と思う時こそ、ぜひ一度ご相談ください。

食べることを、最後まで。
その人らしい暮らしを、お口から支えていきたいと私たちは考えています。

参考: 日本老年歯科医学会「口腔機能低下症」  


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