災害時の口腔ケア|避難生活でお口の健康を守るために大切なこと|訪問歯科診療に対応|たのしみ歯科|板橋区高島平の歯医者・小児歯科・口腔外科

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災害時の口腔ケア|避難生活でお口の健康を守るために大切なこと

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2026年7月29日

災害時の口腔ケア|避難生活でお口の健康を守るために大切なこと

地震や台風、大雨などの災害は、いつ起こるかわかりません。災害が起こると、避難所での生活や断水、停電など、普段とは大きく異なる環境で過ごすことになります。

そんな災害時に、意外と忘れられやすいのが「お口のケア」です。

「水が少ないから歯みがきは後回しでいい」
「数日くらい歯をみがかなくても大丈夫」
と思ってしまうかもしれません。

しかし、避難生活では口腔内の環境が悪化しやすく、特に高齢の方や体力が低下している方、持病のある方では、口の中の細菌が増えることで、誤嚥性肺炎などの病気につながる可能性があります。

災害時の口腔ケアは、単に「虫歯や歯周病を防ぐため」だけではありません。

食べること、話すこと、呼吸すること、そして全身の健康を守るためにも大切なケアです。

今回は、災害時に知っておきたい口腔ケアについてお話しします。

災害時は「お口の環境」が悪化しやすい

災害が起こると、生活環境は大きく変化します。

避難所では、十分な水を確保できないことがあります。また、歯ブラシなどの口腔ケア用品を持ち出せなかったり、食事内容が普段と変わったりすることもあります。

さらに、災害による不安やストレス、睡眠不足などによって、体調を崩しやすくなります。

こうした状況が重なると、口の中の汚れがたまりやすくなります。

特に、避難生活ではおにぎりやパン、カップ麺、お菓子など、比較的食べやすく保存しやすい食品が中心になることがあります。こうした食事は、普段より口の中に食べ物の残りが残りやすくなる場合があります。

また、水分不足によって唾液の量が減ると、口の中が乾燥します。

唾液には、口の中の汚れを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたりする働きがあります。そのため、唾液が少なくなると、口腔内の細菌が増えやすくなります。

災害時には、このような理由から「口の中を清潔に保つこと」が普段以上に重要になります。

特に注意したいのが「誤嚥性肺炎」です

災害時の口腔ケアで特に気をつけたい病気のひとつが、誤嚥性肺炎です。

誤嚥性肺炎とは、口の中の細菌を含んだ唾液や食べ物などが、誤って気管や肺に入り込むことで起こる肺炎です。

健康な方であれば、咳をしたり飲み込んだりすることで異物を外に出す力が備わっています。しかし、高齢になると飲み込む力や咳をする力が低下し、誤嚥を起こしやすくなることがあります。

さらに、避難生活では体力が低下しやすく、食事や水分の摂取量が減ることもあります。

そのため、高齢の方や、もともと飲み込みに問題がある方、脳卒中や神経疾患などの病気がある方は、特に注意が必要です。

災害時に口腔ケアを行うことは、口の中をきれいにするだけではなく、口腔内細菌を減らし、誤嚥性肺炎のリスクを低下させるためにも重要なのです。

水が少ないときの歯みがき

災害時には、十分な水を使えないことがあります。

そのような場合でも、できる範囲で口腔ケアを続けることが大切です。

歯ブラシがある場合は、まず歯ブラシで歯の表面や歯と歯ぐきの境目を丁寧にみがきましょう。

歯みがき粉は必ずしも大量の水を必要とするものではありませんが、すすぎの水が確保できない場合は、無理に使わなくても構いません。

水が少ない場合は、少量の水を口に含んですすぎ、その水を吐き出す方法があります。

また、歯ブラシを水で濡らしてみがき、汚れがついたらティッシュなどで歯ブラシの汚れを拭き取ってから、再びみがく方法もあります。

「水がないから何もできない」と考えるのではなく、「できる範囲で口の中を清潔にする」ことが大切です。

歯ブラシがない場合はどうする?

もし歯ブラシを持って避難できなかった場合でも、できることはあります。

水が確保できる場合は、清潔な布やガーゼなどを指に巻き、歯の表面をやさしく拭う方法があります。

ただし、これは歯ブラシの代わりになる完全な方法ではありません。あくまで一時的な対応として考えましょう。

また、水や口腔ケア用のウェットティッシュなどが利用できる場合には、舌や頬の内側、歯ぐきなどをやさしく清掃することも有効です。

特に高齢の方や自分で歯みがきが難しい方は、口の中に食べ物の残りや痰、唾液などがたまっていないか確認してあげることも大切です。

ただし、口の中に指を入れる際には、無理に奥まで触らないように注意してください。

入れ歯を使っている方はどうする?

災害時には、入れ歯のケアも忘れてはいけません。

入れ歯を長時間つけたままにすると、入れ歯と歯ぐきの間に汚れがたまり、口内炎や義歯性口内炎などの原因になることがあります。

食後には、可能な範囲で入れ歯を外して清掃しましょう。

入れ歯用ブラシがなくても、柔らかめの歯ブラシなどを使って清掃することができます。

入れ歯を洗う際には、熱湯を使わないようにしましょう。入れ歯が変形する可能性があります。

また、夜間は可能であれば入れ歯を外して歯ぐきを休ませることも大切です。

ただし、避難生活中に入れ歯を紛失してしまうと、食事ができなくなるなど生活に大きな影響が出ることがあります。

入れ歯を外した際には、専用のケースなどに入れて大切に保管しましょう。

避難時には「入れ歯ケース」も防災バッグに入れておくことをおすすめします。

口の中が乾燥したらどうする?

災害時には、水分不足やストレスなどによって口が乾燥しやすくなります。

口が乾燥すると、唾液による自浄作用が低下し、口の中の細菌が増えやすくなります。

水分をとれる状況であれば、こまめに水分補給をしましょう。

ただし、飲み込みに問題がある方の場合は、むせる危険があります。水分をとる際には、その方の飲み込みの状態に合わせることが大切です。

また、唾液腺のマッサージや、口を動かす体操なども、唾液の分泌を促す方法のひとつです。

「口を大きく開ける」「舌を前に出す」「舌を左右に動かす」など、無理のない範囲で口を動かしてみましょう。

ただし、体調が悪い場合や、口を動かすことで痛みがある場合は無理をしないでください。

災害時こそ「食べること」を大切に

災害時には、食事の内容や食べる環境も大きく変わります。

しかし、食事は単に栄養をとるだけではありません。

「家族と一緒に食べる」
「温かいものを食べる」
「いつものように食卓を囲む」

こうした時間は、災害時の不安やストレスを和らげるうえでも大切です。

一方で、飲み込みの力が低下している方に、無理に食べてもらうことは危険です。

特に高齢の方や、脳卒中などの病気によって嚥下機能が低下している方は、食事の形態や姿勢に注意が必要です。

「食べられるものを食べる」のではなく、「安全に食べられるものを選ぶ」ことが重要です。

むせが増えた、食事に時間がかかるようになった、食後に声が濁る、食事の後に咳が続くなどの変化があれば、医療職や歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士などに相談しましょう。

災害時には、食べることと口腔ケアをセットで考えることが大切です。

防災バッグに「口腔ケア用品」を入れていますか?

災害に備えて準備する防災バッグには、ぜひ口腔ケア用品も入れておきましょう。

おすすめしたいものは、

・歯ブラシ
・歯みがき粉
・口腔ケア用ウェットティッシュ
・デンタルフロスや歯間ブラシ
・入れ歯ケース
・入れ歯用ブラシ
・入れ歯洗浄剤
・保湿ジェルなどの口腔保湿用品

などです。

すべてを準備することが難しい場合は、まず歯ブラシを準備するところから始めてみましょう。

また、災害時には防災バッグそのものを持ち出せない可能性もあります。

自宅の防災バッグだけでなく、職場や車の中などにも、簡単な口腔ケア用品を備えておくと安心です。

特に入れ歯を使用している方、口腔内が乾燥しやすい方、介助が必要な方は、その人に合ったケア用品を準備しておくことが大切です。

「災害時の口腔ケア」は日頃の備えから

災害は突然起こります。

災害が起きてから「歯ブラシがない」「入れ歯ケースがない」と気づいても、すぐに手に入れられるとは限りません。

だからこそ、日頃から準備しておくことが重要です。

そして、災害時に口腔ケアを続けるためには、普段から自分のお口の状態を知っておくことも大切です。

定期的に歯科医院を受診し、虫歯や歯周病のチェックを受けること。

入れ歯を使用している方は、入れ歯の状態を確認しておくこと。

飲み込みに不安がある方は、早めに摂食嚥下機能を評価してもらうこと。

こうした日頃の取り組みが、いざというときの安心につながります。

お口を守ることは、命を守ること

災害時には、衣食住の確保が優先され、口腔ケアは後回しになりがちです。

しかし、口の中の健康は、全身の健康と深く関係しています。

特に高齢の方や、飲み込みの力が低下している方にとって、口腔ケアは誤嚥性肺炎を予防するためにも重要です。

災害時だからこそ、「食べること」「飲み込むこと」「口の中を清潔に保つこと」を大切にしていきましょう。

そして、災害への備えは、特別なことから始める必要はありません。

まずは、ご家庭の防災バッグに歯ブラシを1本入れること。

入れ歯を使っている方は、入れ歯ケースを準備すること。

家族みんなで「災害が起きたとき、どうやって口の中をケアするか」を話しておくこと。

小さな準備の積み重ねが、災害時のお口と身体の健康を守ります。

たのしみ歯科では、「ごはんが楽しみな毎日を、あなたと。」を大切に、食べることを支える歯科医療に取り組んでいます。

災害時であっても、できる限り「口から食べること」を守り、その人らしい食生活を支えるためには、日頃からの口腔ケアと多職種による支援が欠かせません。

災害はいつ起こるかわかりません。

だからこそ、今日からできる小さな備えを始めてみませんか。

「お口を守る準備」は、未来の健康を守る準備でもあります。

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