2026年7月30日

お口をきれいにすることが、肺炎の予防につながります
「最近、食事中によくむせるようになった」
「食べるのに時間がかかるようになった」
「家族が肺炎を繰り返していて心配」
そんなご相談をいただくことがあります。
年齢を重ねたり、病気をしたりすると、少しずつ「食べる力」や「飲み込む力」が弱くなることがあります。
そのようなときに気をつけたいのが「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」です。
誤嚥性肺炎という言葉を聞くと、少し難しく感じるかもしれません。
でも、実は私たちの日々の生活と深く関わっている病気です。
今回は、誤嚥性肺炎がどのように起こるのか、そして、毎日の生活の中でできる予防について、歯科の立場からできるだけわかりやすくお話しします。
誤嚥性肺炎って、どんな病気?
私たちは普段、食べ物や飲み物を口にすると、自然に「食道」というところへ送り込んでいます。
一方で、呼吸をするときには空気が「気管」を通って肺へ入ります。
食べ物が肺に入らないように、飲み込むときには気管の入り口が閉じる仕組みになっています。
ところが、年齢を重ねたり、病気などによって飲み込む力が弱くなったりすると、食べ物や飲み物、唾液などが誤って気管に入ってしまうことがあります。
これが「誤嚥」です。
そして、誤嚥したものと一緒に口の中の細菌などが肺に入り、炎症を起こしてしまうことがあります。
これが「誤嚥性肺炎」です。
「むせる=誤嚥」なのでしょうか?
食事中にむせると、「誤嚥しているのでは?」と心配になりますよね。
たしかに、むせは誤嚥のサインのひとつです。
食べ物や飲み物が気管に入りそうになると、私たちの体は「咳」をして外へ出そうとします。
これが「むせ」です。
でも、実は「むせないから大丈夫」とは限りません。
飲み込む力が弱くなると、誤って気管に入っても、うまく咳をすることができない場合があります。
本人も気づかないうちに唾液などを少しずつ誤嚥していることもあります。
これを「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」と呼びます。
そのため、誤嚥性肺炎を予防するときには、「むせているかどうか」だけではなく、食事の様子や体調、お口の中の状態などを一緒に見ていくことが大切です。
誤嚥性肺炎と「お口の中」は深く関係しています
誤嚥性肺炎を考えるとき、もうひとつ大切なことがあります。
それは「お口の中の細菌」です。
私たちの口の中には、普段からたくさんの細菌がいます。
健康な状態でも細菌は存在しますが、歯みがきが十分にできなかったり、歯周病が進んでいたり、舌に汚れがたまっていたりすると、細菌の数は増えていきます。
入れ歯を使っている方の場合は、入れ歯にも細菌や汚れが付着することがあります。
こうした状態で唾液などを誤嚥すると、口の中の細菌も一緒に肺へ入り、肺炎につながる可能性があります。
だからこそ、誤嚥性肺炎を予防するためには、
「誤嚥しないようにすること」だけでなく、「お口の中をきれいにしておくこと」も大切なのです。
毎日の歯みがきや入れ歯のお手入れは、むし歯や歯周病を防ぐためだけではありません。
お口の中の細菌を減らし、全身の健康を守ることにもつながっています。
こんな変化はありませんか?
誤嚥性肺炎は、必ずしも「高熱が出る」「激しく咳が出る」といった分かりやすい症状ばかりではありません。
特に高齢の方では、症状がはっきりしないこともあります。
たとえば、
このような変化がある場合には、一度、飲み込む力やお口の状態を確認してみることをおすすめします。
「年齢のせいかな」と思っていた変化が、実は「食べる力」が弱くなっているサインかもしれません。
誤嚥性肺炎を防ぐために、できること
誤嚥性肺炎を完全に防ぐことは難しい場合もあります。
それでも、日々の生活の中でできることはたくさんあります。
まずは、お口の中を清潔に
毎日の歯みがきはもちろん、舌や頬の内側などもきれいに保つことが大切です。
歯が少なくなった方や、入れ歯を使っている方も、お口のケアは必要です。
「歯がないから歯みがきはしなくていい」ということではありません。
お口の中全体を清潔に保つことを心がけましょう。
入れ歯もきれいに
入れ歯にも汚れや細菌が付着します。
毎日取り外して清掃し、正しくお手入れすることが大切です。
入れ歯の状態が合っていないと、食べにくさにつながることもあります。
「入れ歯が痛い」「外れやすい」「最近使っていない」という場合も、一度歯科医院にご相談ください。
食べる姿勢も大切です
食事をするときは、できるだけ姿勢を安定させましょう。
椅子に深く座る、足を床につけるなど、体が安定すると、飲み込みやすくなることがあります。
また、一口の量を大きくしすぎず、ゆっくり食べることも大切です。
「食べにくくなった」をそのままにしない
「最近、むせるようになった」
「食事に時間がかかる」
「以前好きだったものを食べなくなった」
そんな変化があったら、ぜひ一度ご相談ください。
早めに気づくことで、食べ方や食事の形を工夫したり、お口の機能を保つためのトレーニングを始めたりすることができます。
「むせるから、食べないほうがいい」のでしょうか?
食事中にむせると、「危ないから食べないほうがいい」と考えてしまうことがあります。
もちろん、安全に食べることはとても大切です。
でも、「食べること」は、栄養をとるためだけのものではありません。
家族と一緒に食卓を囲むこと。
好きなものを味わうこと。
「おいしいね」と誰かと話すこと。
食事には、その人の生活や思い出、楽しみがたくさん詰まっています。
だからこそ、食べることが難しくなったときも、すぐに「食べない」という答えを出すのではなく、
「どうすれば安全に食べられるだろう?」
「どうすれば、食べる楽しみを残せるだろう?」
と考えることが大切だと私たちは考えています。
そのためには、歯科医師や歯科衛生士だけでなく、医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士、介護職など、さまざまな専門職が一緒に考えることが大切です。
患者さんご本人の希望やご家族の思いを聞きながら、その方に合った「食べる方法」を探していきます。
たのしみ歯科が大切にしていること
たのしみ歯科では、
「ごはんが楽しみな毎日を、あなたと。」
という思いを大切にしています。
私たちにとって、「食べること」は単なる栄養補給ではありません。
家族と一緒にごはんを食べること。
好きなものを味わうこと。
誰かと食卓を囲むこと。
「今日も食べられてよかった」と思えること。
それは、その人らしい毎日を過ごすための大切な時間だと思っています。
だからこそ、食べることが難しくなったときには、「もう食べられない」と決めつけるのではなく、その方にできることを一緒に探したいと考えています。
誤嚥性肺炎の予防には、お口のケア、飲み込む力の確認、食事の姿勢や食べ方の工夫など、いろいろな方法があります。
大切なのは、できるだけ早く変化に気づくことです。
「最近、むせるようになった」
「食べる量が減ってきた」
「食事に時間がかかるようになった」
「家族が肺炎を繰り返している」
そんなときは、一人で悩まずにご相談ください。
たのしみ歯科では、患者さんの「食べたい」という気持ちを大切にしながら、ご家族や医療・介護に関わる方々と一緒に、その人にとっての「食べる」を考えていきます。
お口をきれいにすることは、誤嚥性肺炎を予防するための大切な一歩です。
そしてその先には、
「おいしいね」
「一緒に食べよう」
と笑顔になれる時間があります。
私たちは、そんな「ごはんが楽しみな毎日」を、これからも一緒に支えていきたいと思っています。
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「ごはんがたのしみ」な毎日を、あなたと。
たのしみ歯科では、ご自宅・施設への訪問歯科診療に対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。
「食べるを支える仲間、募集中。」
歯科医師・歯科衛生士の採用も行っています。
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訪問診療 080-4470-6052
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